![]() 樹脂に優れた耐熱性を与えるハイドロタルサイト及びその製造方法
专利摘要:
本発明は、ハイドロタルサイトを特定の条件下で熱処理してその重量を1.5〜5%減少させて得られた部分的に脱水されたハイドロタルサイトに関し、合成樹脂に優れた耐熱性を与えることができる。 A 公开号:JP2011512316A 申请号:JP2010547559 申请日:2009-02-12 公开日:2011-04-21 发明作者:ヒュン、ドンホ;リー、スン・ウォク 申请人:ドボン・インコーポレイテッドDoobon Inc.;ヒュン、ドンホHYUN, DongHo;リー、スン・ウォクLEE, Sung Wook; IPC主号:C01F7-00
专利说明:
[0001] 本発明は、合成樹脂に優れた耐熱性を与えることができるハイドロタルサイト及びその製造方法に関する。] 背景技術 [0002] 通常、ハイドロタルサイトは、MII1-xMIIIx(OH)2(An-)x/n・(1−3x/2)H2Oの一般式で表され、前記式中、MIIは2価金属カチオンであり、MIIIは3価金属カチオンであり、An-はn価アニオンであり、xは0.20〜0.33の範囲である(J.Mater.Chem.,12:3191〜3198,2002;及びJ.Therm.Anal.Cal.,84:473〜478,2006参照)。] [0003] ハイドロタルサイトは、一般的にポリ塩化ビニル(PVC)及びポリウレタンのような様々な合成樹脂製品の耐塩素性及び耐熱性の向上のための添加剤として使われ、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物及び尿素などを用いてこれを製造する多様な製造方法が知られている(米国特許第4,351,814号、協和化学工業株式会社、1982年9月28日;米国特許第4,904,457号、アルコア社(Aluminum Company of America)、1990年2月27日;米国特許第5,250,279号、J.M.Huber社(J.M.Huber Corporation)、1993年10月5日.及び韓国特許第454273号、株式会社斗本(Doobon Inc.)、2004年10月14日)。しかしながら、これらの方法によって製造されたハイドロタルサイトは、合成樹脂に混入される際、表面及び表面に存在する水分子に起因して、望ましくない物性の変化をもたらす傾向がある。かかる水分子は高温処理によって除去できるが、脱水酸化による構造変形が生じるおそれがある(J.Therm.Anal.Cal.,84:473−478、2006参照)。] [0004] 本発明者らは、ハイドロタルサイト添加剤の結晶水分子が合成樹脂の耐熱性を低下させることを見出し、最少量の結晶水を有する構造的に安定したハイドロタルサイトを製造することができることを見出して、本発明を完成するに至った。] [0005] したがって、本発明の目的は、最少量の結晶水を有する構造的に安定したハイドロタルサイトを提供することである。] [0006] 本発明の他の目的は、本発明のハイドロタルサイトの製造方法を提供することである。] [0007] 本発明の一態様によれば、一般式(I)で表されるハイドロタルサイトが提供される: Mg1-xAlx(OH)2(An-)x/n・{(1−a)(1−3x/2)−a・z/18}H2O (I) (前記式中、An-は、CO32-、NO3-、SO42-、OH-、F-、Cl-、Br-、およびSi、PまたはBを含むオキソアニオンからなる群より選ばれたアニオンであり、zはMg1-xAlx(OH)2(An-)x/nの化学式量であり、xは0.20<x≦0.33の範囲であり、aは0.015≦a≦0.05の範囲である。) 本発明の他の態様によれば、一般式(II)で表されるハイドロタルサイトを160〜220℃の温度で熱処理して一般式(II)で表されるハイドロタルサイトの重量の1.5〜5%を減少させることを含む、本発明のハイドロタルサイトを製造する方法が提供される: Mg1-xAlx(OH)2(An-)x/n・(1−3x/2)H2O (II) (前記式中、An-及びxは前記一般式(I)で定義した通りである。) また、本発明によれば、本発明のハイドロタルサイトを含む合成樹脂組成物、及び前記本発明の合成樹脂組成物を用いて製造された製品を提供する。] [0008] 本発明による一般式(I)で表されるハイドロタルサイトは、合成樹脂に添加されて耐熱性を向上させることができる。] 図面の簡単な説明 [0009] 本発明の前記目的並びに他の目的および特徴は、以下の詳細な説明及び添付図面から明らかになるであろう。 図1は、実施例1で得られた120℃、190℃及び240℃でそれぞれ熱処理されたハイドロタルサイトのX線回折(XRD)パターンを示すグラフである。 図2は、(Mg4Al2)(OH)12CO3・3H2Oの熱重量−示差熱分析(TG−DTA)グラフである。 図3Aは、実施例2で得られた熱処理されたハイドロタルサイトを含むPVCサンプルの色変化を示す図である。 図3Bは、実施例2で得られた熱処理されたハイドロタルサイトを含むPVCサンプルの色変化を示す図である。 図3Cは、実施例2で得られた熱処理されたハイドロタルサイトを含むPVCサンプルの色変化を示す図である。] 図1 図2 図3A 図3B 図3C 発明の詳細な説明 [0010] 本発明による一般式(I)で表されるハイドロタルサイトは、ハイドロタルサイト重量の約1.5〜5%の量にあたる結晶水分子の一部が、特定の熱処理工程によって除去されることを特徴とする。] [0011] 本発明のハイドロタルサイトの一例であって、結晶水がハイドロタルサイト重量の2%の量だけ除去されたことは一般式(Ia)で表される: Mg1-xAlx(OH)2(An-)x/n・{0.98(1−3x/2)−0.02・z/18}H2O (Ia) (前記式中、An-、x及びzは前記一般式(I)で定義した通りである。) 本発明のハイドロタルサイトの他の例であって、結晶水がハイドロタルサイト重量の4%の量だけ除去されたことは式(Ib)で表される: Mg1-xAlx(OH)2(An-)x/n・{0.96(1−3x/2)−0.04・z/18}H2O (Ib) (前記式中、An-、x及びzは前記一般式(I)で定義した通りである。) 本発明による一般式(I)で表されるハイドロタルサイトは、制限された量の結晶水を含有し、構造変形が起こることなく、結晶水の除去によって格子定数の変化(c軸長の減少)がもたらされるのみである。] [0012] 前記重量損失が1.5%未満の場合には、除去された結晶水の量が合成樹脂に向上した耐熱性を与えるには十分でないこともある。仮に、重量損失が5%より大きい場合には、ハイドロタルサイトは、金属カチオンに配位した水酸基イオンの脱水酸化、さらには構造変形も起こして、その結果、中和能の低下が引き起こされる。] [0013] 一般式(I)で表されるハイドロタルサイトにおいて、An-は好ましくはCO2-であり、aの値は好ましくは0.02≦a≦0.04である。すなわち、本発明による一般式(I)で表されるハイドロタルサイトにおいて、除去された水分子の量は、好ましくは初期のハイドロタルサイトを基準に2〜4重量%の範囲である。] [0014] 本発明によれば、一般式(I)で表されるハイドロタルサイトは、一般式(II)で表されるハイドロタルサイトを160〜220℃、好ましくは190〜200℃の温度範囲内で20〜90分間熱処理して製造することができる。] [0015] 仮に、一般式(II)で表されるハイドロタルサイトが160℃よりも低い温度で熱処理されると、層間に存在する結晶水の除去が所望の脱水水準に到達できないことがあり得る。仮に、一般式(II)で表されるハイドロタルサイトが220℃よりも高い温度で熱処理されると、ハイドロタルサイトが脱水酸化及び更なる構造変形を起こして、耐塩素性の低下を引き起こす。したがって、熱処理が前記条件下で行われない場合には、安定した構造を有するとともに最少量の結晶水を含むハイドロタルサイトを提供することが困難である。] [0016] 本発明で用いられる熱処理条件は、ハイドロタルサイトを構成するアニオンによって変わり得る。] [0017] 本発明で用いられる一般式(II)で表されるハイドロタルサイトは、共沈法及び熱水法のような常法によって製造することができる。] [0018] 本発明による一般式(I)で表されるハイドロタルサイトは、合成樹脂を製造するための添加剤として有用である。例えば、一般式(I)で表されるハイドロタルサイトは、PVC(ポリ塩化ビニル)及びポリウレタンのような合成樹脂の耐熱性を向上させることができる。] [0019] 以下の実施例は本発明を例示することが意図されるが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。] [0020] 実施例] [0021] ハイドロタルサイトの熱処理 (Mg4Al2)(OH)12CO3・3H2Oのハイドロタルサイト(株式会社斗本製、韓国)を電気炉内に配置し、120℃、190℃、200℃または240℃の温度で60分間熱処理し、部分的に脱水された4種の異なるハイドロタルサイトを得た。] [0022] 120℃、190℃及び240℃の温度でそれぞれ熱処理されたハイドロタルサイトの粉末X線回折(XRD)のパターンを、図1に示した。] 図1 [0023] 120℃、200℃及び240℃の温度でそれぞれ熱処理されたハイドロタルサイトの格子定数(Å、a軸長及びc軸長)を、下記表1に示した。] [0024] 0〜600℃の温度範囲内で得られた(Mg4Al2)(OH)12CO3・3H2Oの熱重量−示差熱分析(TG−DTA)グラフを図2に示した。] 図2 [0025] 表1と図1及び図2とから、120℃、190℃及び200℃での熱処理は、ハイドロタルサイトの何らの構造変化も起こさないが、結晶水の部分的な除去に起因してc軸長の減少が誘発されたことがわかる。したがって、かかる熱処理は層内の水酸化イオンに影響を及ぼすことなく、一部の結晶水分子を除去するのみである。] 図1 図2 [0026] しかしながら、240℃での熱処理は、脱水酸化及びハイドロタルサイトの構造変形を誘発して、ハイドロタルサイトを部分的に酸化させる。] [0027] ハイドロタルサイトの熱処理及び熱処理されたハイドロタルサイトを含むPVCの耐熱性の測定 (Mg4Al2)(OH)12CO3・3H2O(株式会社斗本製、韓国)のハイドロタルサイトを電気炉内に配置し、下記条件下で熱処理して、部分的に脱水された種々のハイドロタルサイトを得た: i)120℃で120分間熱処理、 ii)190℃で10〜100分間、10分間隔で熱処理、 iii)200℃で10〜50分間、10分間隔で熱処理、及び iv)240℃で100分間熱処理 各々のハイドロタルサイトが樹脂の耐熱性に及ぼす影響を評価するために、PVC樹脂(株式会社斗本製、韓国、製品名:F.PolyLizer−120)100重量部に対して、30.0重量部のDOP(フタル酸ジオクチル)、0.2重量部の亜鉛系安定剤、0.05重量部のDBM(ジブロモメタン)、20.0重量部のCaCO3、及び上述のように得られた各々のハイドロタルサイト2.0重量部を混合した後、前記混合物を185℃でロールを用いて5分間混練して、約0.5mm厚さのシートを得た。] [0028] 得られたシートを200℃のオーブン内に配置して、80分間、10分間隔でその色変化を測定した。その結果を図3A〜図3Cに示した(図3Aは190℃で10〜100分間、10分間隔で熱処理されたハイドロタルサイトを含むPVCサンプルの色変化、図3Bは200℃で10〜50分間、10分間隔で熱処理されたハイドロタルサイトを含むPVCサンプルの色変化、図3Cは120℃、190℃及び240℃で熱処理されたハイドロタルサイトを含むPVCサンプル、及びハイドロタルサイトを含まないPVCサンプルの色変化をそれぞれ示す)。] 図3A 図3B 図3C [0029] 図3A〜図3Cに示されているように、190〜200℃で20〜90分間熱処理された本発明のハイドロタルサイトを含むサンプルは、他のサンプルに比べてより優れた耐熱性を樹脂に与えることができることが分かる。] 図3A 図3B 図3C [0030] 以上の本発明を具体的な実施形態により説明したが、添付した特許請求の範囲により定義された発明の範疇を逸脱しない範囲内で、当業者による種々の変形及び変更が可能である。]
权利要求:
請求項1 下記一般式(I)で表されるハイドロタルサイト:Mg1-xAlx(OH)2(An-)x/n・{(1−a)(1−3x/2)−a・z/18}H2O(I)ここで、An-は、CO32-、NO3-、SO42-、OH-、F-、Cl-、Br-、およびSi、PまたはBを含むオキソアニオンからなる群より選ばれたアニオンであり、zはMg1-xAlx(OH)2(An-)x/nの化学式量であり、xは0.20<x≦0.33の範囲であり、aは0.015≦a≦0.05の範囲である。 請求項2 前記aの値が0.02≦a≦0.04の範囲内であることを特徴とする請求項1記載のハイドロタルサイト。 請求項3 下記一般式(II)で表されるハイドロタルサイトを160〜220℃の温度で熱処理して、下記一般式(II)で表されるハイドロタルサイトの重量の1.5〜5%を減少させることを含む請求項1記載のハイドロタルサイトを製造する方法:Mg1-xAlx(OH)2(An-)x/n・(1−3x/2)H2O(II)ここで、An-およびxは請求項1で定義した通りである。 請求項4 前記熱処理が、一般式(II)で表されるハイドロタルサイトの重量の2〜4%が減少されるように行われることを特徴とする請求項3記載のハイドロタルサイト製造方法。 請求項5 前記熱処理が、190〜200℃の範囲内の温度で20〜90分間行われることを特徴とする請求項3記載のハイドロタルサイトの製造方法。 請求項6 請求項1又は請求項2に記載のハイドロタルサイトを含む合成樹脂組成物。 請求項7 前記合成樹脂がポリ塩化ビニルであることを特徴とする請求項6記載の合成樹脂組成物。 請求項8 請求項6に記載の合成樹脂組成物を用いて製造された製品。
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引用文献:
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